No.29【和室は本当にいらない?】
畳スペースを採用した若い世帯ほど満足度が高い意外な理由とは?
こんにちは。HIKAGEの代表、日影道也です。
住宅の間取りの打ち合わせをしていると、「和室は本当に必要?」と悩まれる方が少なくありません。
近年の調査データを見ると独立した和室は減っていますが、
リビングの一角に小さな畳スペースを設ける暮らし方が
若い世帯の間で支持されているという傾向もあります。
この記事では、単なる印象論ではなく、最新のデータと実際の暮らしに即した視点から
「畳空間の価値」を整理します。選ぶ・選ばないという二択ではなく、
暮らしの豊かさを考える判断材料を提供する内容です。

この記事でわかること
読んでいただくと以下の点が整理できます。
・ 独立和室が減っている背景と、畳への根強いニーズ
・ 若い世帯でも過半数が畳空間を希望するデータ
・ 「小さな畳スペース(畳コーナー)」が選ばれる理由
・ 畳スペースのメリットと気をつけたいポイント
・ 畳空間を暮らしに合わせて計画するコツ
まずは数字を押さえながら、
現代の住まいで畳がどのように位置づけられているのかを見ていきましょう。
昔ながらの和室は減少、それでも約7割が畳空間を希望する理由
住宅の間取りを見ていると、昔のような6帖や8帖の「独立した和室」は新築住宅で少なくなりました。
これは住宅全体のコンパクト化や生活動線の変化、
来客用布団の使い方の変化など複数の要因が重なった結果です。
しかし、最新の消費者意識調査を見ると、畳空間への希望は依然として根強いことが分かります。
2022年3月28日~31日に全国の消費者4,000名を対象としてインターネットで実施され、
2022年5月10日に発表されたプラネット社の「和室・畳に関する意識調査」では、
理想の住まいに畳空間を「欲しい」と答えた人が38.4%、「やや欲しい」と答えた人が30.7%で、
合わせて69.1%に達しています。
この数字は、住宅全体のニーズとして畳空間が根強く支持されていることを示しています。
若い世代でも過半数が畳空間を望んでいる事実
特に注目すべきは、若い世代でも畳空間を希望する人が多数いる点です。

プラネット社の調査では、20代男性の57.4%、20代女性の64.5%が
畳空間を「欲しい」「やや欲しい」と回答しています。
これは「若い世帯には畳が不要」という単純な見方を超えて、
世代を超えて畳に対する好意的な意識が根強く残っていることを示します。
若い世帯が選ぶ「小さな畳スペース(畳コーナー)」の魅力

独立した和室が減る中で、リビングの一角に小さな畳スペースをつくるケースが増えている背景には、
暮らし方の変化が深く関係しています。
子どもが小さい間は床で遊ぶ時間が多く、座ったり寝転んだりする機会が自然と増えます。
畳は床に近い暮らしと相性が良く、硬さを感じにくい素材の特性が日常の心地よさにつながります。
また、独立した部屋ではなく、LDKと一体になった畳スペースは
家族の気配を感じながら過ごせるというメリットもあります。
家事をしながら子どもを見守る場として使えるなど、定型化しにくい使い方ができるため、
日常の動きと自然に結びつきやすいのです。
「畳コーナーなら十分」という声は年齢層でも高い

同じプラネット社の調査では、30代・40代の女性において「部屋全体が和室でなくても、
畳コーナーがあればよい」という回答が他世代より高い割合で示されています。
つまり独立した和室ではなく、
生活の中心であるLDKのそばに小さな畳空間があれば満足度が高いという価値観が広がっています。
これは記事のテーマである「畳スペースの現代的な活用法」のデータ裏付けにもなっています。
畳スペースを取り入れるメリット

畳スペースを計画する上で、多くの方が実感しているのは「多用途に使える」という点です。
リビングの一部を畳にするだけで、ごろ寝、読書、遊び場、座っておしゃべりなど、
特定の目的に限定されない居場所が生まれます。
また、フローリングと比べて足裏の冷たさや硬さを感じにくく、
長時間座ったり寝転んだりする動きが多い暮らしには向いています。
生活動線の中に自然と溶け込む畳スペースは、
設計する側から見ても「居場所の余白」をつくることにつながります。
空間を固定化しないからこそ、家族の変化に柔軟に対応しやすいという点も
メリットとして挙げられます。
畳スペース検討の際に知っておきたい注意点

一方で、住まい全体を考えるときには注意点もあります。プラネット社の調査では、
畳空間を必要としない理由として「畳や障子の掃除・手入れが大変」という回答が
41.7%で最多になっています。
確かに縁付きの畳や障子は日常の掃除やお手入れの負担を感じやすい素材です。
しかし最近は縁なし畳(琉球畳)や、拭き掃除しやすい素材・床との高さを合わせた畳など、
メンテナンス性を高める工夫も広がっています。
そのため、素材や仕様の選び方次第で、暮らしやすさと畳の良さを両立させることができます。
掃除のしやすさや日常の使い勝手も含めて検討することが大切です。
暮らし方に合わせた畳スペースの考え方

暮らしの中で畳スペースを活かすには、以下のような視点から計画すると失敗を減らせます。
位置については、LDKとつながっている方が日常の生活動線と馴染みやすいです。
玄関付近に置けば来客スペースとしても使えるなど、配置によって役割が変わります。
広さは2〜3帖でも十分な機能を果たすことが多く、専用の部屋ほど大きく取る必要はありません。
段差は小上がりにすれば腰掛けや収納と合わせやすく、
フラットにすれば室内の動線が滑らかになります。建具を設けるかどうかも、
寝室や来客対応をどう考えるかで選ぶと良いでしょう。
こうした細かな考え方は、図面上でイメージしながら
ご家族の生活スタイルと照らし合わせることで整理しやすくなります。
和室は時代遅れではなく、形を変えた新しい活用へ
こうして整理してみると、和室が減っているのは「畳自体が嫌われているから」ではなく
「昔ながらの独立した形が現代の暮らしには合いにくい」という事情が大きいと考えられます。
調査でも、若い世代を含めて多くの人が畳空間を望んでいるという結果が出ており、
独立した和室ではなくても、生活の中心に寄り添う形で畳を採用していることがわかります。
小さな畳スペースは暮らしの余白を生み、家族の居場所として機能するだけでなく、
年齢や世代を問わず安心感を与えてくれる存在です。
選択肢として「畳にする/しない」を決めるのではなく、
どのように暮らしに寄り添わせるかを考えることで、より豊かな生活が描けるはずです。

まとめ
今回の記事では、和室が減っているという事実と、
畳という素材そのものへの関心が依然として高いという両面を整理しました。
独立した和室ではなくても、小さな畳スペースを取り入れることで
暮らしに柔軟性と居心地の良さをもたらすことができます。
迷ったときは、ご家族の暮らし方、生活動線、将来の変化を一度整理してみてください。
図面上でのイメージや相談の場を活用するだけでも、判断の軸がはっきりしてきます。
必要であれば、畳スペースのある間取りプランの設計相談も承っていますので、
お気軽にご相談ください。
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HIKAGEでは、富山市を拠点に、射水市・高岡市・滑川市・上市町・立山町・舟橋村など、車で40分圏内のエリアで家づくりをお手伝いしています。
すぐにお伺いできる範囲にエリアを絞ることで、
暮らしの中で何かあった時も迅速に対応できるようにしています。
「建てて終わり」ではなく、住まいの成長を一緒に見守れるような、
地域に根ざしたパートナーでありたいと思っています。
<上記エリア以外につきましては、弊社担当までご確認ください>
出典情報(調査根拠)・プラネット社「FROM PLANET vol.180 和室・畳に関する意識調査」
(2022年3月28日~31日実施/全国の消費者4,000名対象/2022年5月10日発表)