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No.76【削っていい所とダメな所】
注文住宅のコストダウンで見落としがちな注意点や気を付けたい落とし穴とは?

こんにちは。富山市の工務店、HIKAGE代表の日影道也です。

家づくりのご相談の中で、「予算をもう少し抑えたいけれど、何を削ればいいのか分からない」というお声をよくいただきます。
コストダウンは、闇雲に仕様を減らすことではありません。

この記事では、注文住宅で無理なく費用を抑えるための考え方と、削ってよい部分・慎重に判断すべき部分の見極め方を、具体的な例を交えてご紹介します。
予算に不安のあるご夫婦にとって、判断材料のひとつになれば幸いです。

ノートパソコンやカタログを広げ、木目のサンプルを手に取りながら内装の仕様決め打ち合わせを行う工務店スタッフと施主。

コストダウンの出発点は「何を削るか」より「何を大切にするか」

注文住宅のコストダウンは、仕様をやみくもに削ることから始めるのではなく、ご家族にとって譲れない条件と、妥協できる条件を先に整理することから始めるのが基本です。

住宅会社との打ち合わせでは、キッチンのグレード、断熱性能、収納量、外観デザイン、建具の数など、決めることが非常に多くあります。
すべてを高い水準でそろえようとすれば予算は膨らみますし、逆にすべてを一律に削ってしまうと、日々の暮らしやすさや将来のメンテナンス性に影響が出ることもあります。
まずは「削る」ことよりも、「この家でどんな暮らしをしたいか」を整理することが、結果的にムダのないコストダウンにつながります。

なぜ最初に希望条件を整理する必要があるのか

弊社の現場でも、「とにかく安くしたい」というご要望からスタートしたものの、打ち合わせを重ねる中で「実はここは絶対に譲れなかった」という条件が後から出てくるケースは珍しくありません。
例えば、当初は収納を減らしてでも費用を抑えたいとおっしゃっていたご夫婦が、実際の生活動線を一緒に確認していく中で、「やはりファミリークローゼットは外せない」と気づかれることもあります。

中央に通路を挟んで両側にハンガーパイプが通り、たくさんの洋服がすっきりと収納されたウォークインクローゼット。

最初の段階で漠然としていた希望が、会話を重ねることで少しずつ整理され、結果として「削ってよい部分」と「残すべき部分」がはっきりしてくるのです。
優先順位が曖昧なまま仕様を決めてしまうと、契約後や工事中に「やっぱりここは変更したい」となり、追加費用や工程の見直しが発生する場合があります。

逆に、優先順位が整理されていれば、限られた予算の中でも家族全員が納得できる選択がしやすくなります。
予算の上限だけを先に決めてしまうと、途中で判断に迷ったときに基準がなくなってしまうため、金額と同時に「何のためにその予算を使うのか」を言葉にしておくことも大切です。

打ち合わせを重ねる中で見えてくること

「家事動線を短くしたい」「将来子ども部屋を仕切れるようにしたい」「在宅ワークができる場所がほしい」など、暮らし方の希望を具体的に伺っていくと、その実現に本当に必要な仕様と、実はなくても困らない仕様が少しずつ見えてきます。

例えば、「個室をたくさん作りたい」という要望の背景に、実は「家族それぞれが落ち着ける場所がほしい」という思いがある場合、必ずしも壁で仕切られた個室でなくても、スタディスペースや畳コーナーなどの工夫で実現できることがあります。
コストダウンは、削る作業というより、こうした対話の積み重ねの中で「本当に必要な形」を見つけていく作業だと、私たちは考えています。

明るい光が差し込む大きな窓際に設けられた、お気に入りの小物をディスプレイできるおしゃれな造作の木製ロングカウンター。

実際によく検討される、コストダウンの具体例

費用を抑える工夫の代表例として、建具(扉)の数を減らす、建物の形状をシンプルにする、仕上げ材のグレードを部分的に調整する、といった方法があります。
それぞれにメリットと注意点があるため、内容を理解したうえで選ぶことが大切です。

建具(扉)の数を減らす

メリット
建具は、枠・扉本体・金物・施工費などを含めた費用がかかるため、数を減らすことでその分の初期費用を抑えられます
1枚あたりの費用は仕様や会社によって幅がありますが、部屋数の多いプランでは建具の合計金額が想像以上に大きくなることも珍しくありません。
また、扉がない分、空間がつながって開放的になり、掃除の手間が減るという声もあります。

温かみのある無垢材のダイニングセットと、スタイリッシュなグレーのアイランドキッチンが調和する洗練されたLDK。

デメリット・注意点
一方で、扉がないと部屋を独立して仕切れなくなるため、来客時や在宅ワーク中に音や視線が気になる場合があります。
また、リビング階段など空間をつなげる間取りは、冷暖房効率に影響することがあるため、断熱・気密性能とのバランスも合わせて検討する必要があります。
将来的に間仕切りたい可能性がある部屋については、あらかじめ下地だけ準備しておく、あるいは可変性のある間取り計画にしておくと、後から対応しやすくなります。

なお、新築時に建具を設けず、住み始めてから追加しようとすると、壁の下地や枠の造作をやり直す必要が生じるため、電気配線の位置によっては照明スイッチの移設も必要になり、新築時に設置するよりも費用がかさむ場合が多い点には注意が必要です。
逆に、カーテンやブラインドなどは新築時に見送っても、比較的取り付けやすく、後から追加しやすい部分といえます。

手前には石膏ボードの壁が広がり、開口部の奥には白いクロスと窓が施工された明るい洋室が見える、お引き渡し前の室内。

建物の形状をできるだけシンプルにする

凹凸の少ない、いわゆる総二階に近い形状は、外壁の面積や屋根の施工手間を抑えやすく、コスト面で有利になりやすい傾向があるとされています。
凹凸が多いデザインは、外観の表情は豊かになりますが、その分外壁材や屋根材の使用量、施工の手間が増えやすく、雨仕舞い(防水処理)の納まりが複雑になりやすいという側面もあります。

すっきりとした四角いフォルムが特徴的な、ダークグレーの塗り壁仕上げによるモダンなキューブ型住宅の外観。

ただし、形状をシンプルにすると外観の表情や採光の取り方にも影響するため、光の入り方やプライバシーとのバランスを考えながら検討することが大切です。
高窓や配置の工夫を組み合わせることで、シンプルな形状のままでも明るさを確保できる場合があります。

仕上げ材やグレードを部分的に見直す

リビングなど目に触れる場所にはこだわりを残しつつ、収納の内部や普段目立たない部分の仕上げをシンプルにするなど、メリハリをつける考え方も有効です。
造作家具についても、すべてをオーダーにするのではなく、造作と既製品を組み合わせることで費用を調整できる場合があります。
水回りの設備も、機能面で必要なグレードと、見た目やブランドによる価格差を切り分けて考えると、判断がしやすくなります。

窓の数や大きさについても同様で、採光や通風のために必要な窓と、デザイン上のアクセントとして設けている窓を分けて考えることで、性能を落とさずに調整できる場合があります。
窓は断熱性能に直結する部分でもあるため、数を減らす際は、居室ごとの明るさや風の通り道を確認しながら進めることをおすすめします。

ハンガーラックや棚、クリアケースを用いて衣類や小物が美しく整理整頓された、機能的なシステムクローゼットの内観。

コストダウンで気をつけたい「後から費用がかさむ」ポイント

削ってよい部分と、慎重に判断すべき部分があります。
特に構造や性能、配管・配線など、完成後に見えなくなる部分は、後から変更しようとすると新築時よりも費用がかかる場合が多く、注意が必要です。

断熱・気密・構造など性能に関わる部分

断熱材のグレードを下げる、窓の性能を下げるといった方法で費用を抑えることも選択肢としてはあり得ますが、これらは光熱費や暮らしの快適性、夏冬の室内温度差に長期的に影響する部分でもあるため、慎重な判断が求められます。
壁の中に入れる断熱材や、基礎の下に施す配管などは、完成後には見えなくなる部分であるからこそ、後から性能だけを追加することが難しく、リフォームで対応する場合は新築時よりも大きな費用がかかる傾向があります。

柱や梁の木組みが美しく、天井一面に高性能断熱材が隙間なく施工されている、建築中の木造注文住宅の構造。

また、2025年11月28日に国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携して創設を発表した「みらいエコ住宅2026事業」など、省エネ性能に関する国の補助制度では、長期優良住宅やZEH水準住宅、GX志向型住宅といった一定の性能基準を満たすことが交付の条件となっています。
性能を下げることで、こうした補助金制度の対象から外れてしまう可能性のあるため、コストダウンを検討する際は、断熱・気密性能を下げる前に、補助金の適用条件についても事前に確認しておくと安心です。

なお、みらいエコ住宅2026事業は、予算上限に達した時点で交付申請の受付が終了する制度であり、特に注文住宅のZEH水準住宅の枠は、他の住宅タイプより申請期限が早く設定されているとされています。
制度の詳細や最新の受付状況は変更される可能性があるため、利用を検討される場合は、国土交通省の公式サイトなどで最新情報をご確認いただくか、担当者にご相談ください(※本記事は確認時点の情報です。制度内容や受付状況は変更される場合があります)。

標準仕様とオプションの境界を最初に確認する

住宅会社によって、「標準仕様」に含まれる範囲は異なります。
契約前に、どこまでが標準仕様でどこからオプション扱いになるのか、できるだけ具体的な項目単位で確認しておくことが、後になって想定外の費用が発生することを防ぐポイントになります。

特に、照明・カーテン・外構・給排水の引き込み・地盤改良費などは、標準に含まれるかどうかが会社によって差が出やすい項目です。
概算見積りの段階では含まれていなかった項目が、詳細な打ち合わせを進める中で追加費用として発生することもあります。
見積書を受け取った際は、金額の大小だけでなく、「何が含まれていて、何が含まれていないのか」を担当者に確認しながら進めることをおすすめします。

HIKAGEが考える、納得感のあるコストダウンの進め方

HIKAGEでは、打ち合わせ回数を無制限にし、ご家族の希望をひとつずつ丁寧に整理しながら、性能や品質を保ったまま無理のない予算に近づける方法を一緒に考えることを大切にしています。

何度でも相談できる環境だからこそ整理できること

コストダウンの判断は、一度の打ち合わせで決められるものではありません。
同じ質問を何度しても大丈夫ですし、迷ったり考えが変わったりすることも、家づくりでは自然なことだと考えています。
LINEや電話でのちょっとした確認、オンライン打ち合わせなども活用しながら、ご夫婦それぞれの希望をすり合わせていく時間を大切にしています。
お子様連れでも落ち着いて相談いただけるよう、キッズスペースを備えた環境もご用意していますので、小さなお子様がいるご家庭でもゆっくりお話しいただけます。

また、標準仕様は定期的に見直しを行い、コストやメンテナンス性、機能性、デザインなどを総合的に評価したうえで採用しています。
これにより、標準仕様の範囲内でも、耐久性や快適性を大きく損なわないコストダウンの選択肢をご提案できるようにしています。

ボルダリング用のホールドが設置された木の壁の横で、おもちゃ箱を前に楽しそうに遊ぶ乳幼児の姿。

資金計画とセットで考えるコストダウン

コストダウンは、単体の仕様を削る作業ではなく、総予算の中でのバランスを考える作業でもあります。
本体工事費だけでなく、付帯工事や諸費用、外構や家具家電まで含めた資金計画とあわせて検討することで、「どこにお金をかけ、どこを抑えるか」という判断がしやすくなります。

弊社では、個別の資金計画のご相談や資金勉強会もご案内しており、教育費や車の買い替えといった将来のライフイベントも見据えながら、無理のない配分を一緒に考えていきます。
目先の建築費だけでなく、住み始めてからの毎月の負担まで含めて検討することが、後悔の少ないコストダウンにつながると考えています。

木目調のテーブルを囲み、電卓を叩く男性と、グラフや表が印刷された資料にペンを走らせる女性の手元。資金計画やライフプランの相談をしている様子を想起させます。

この記事のまとめ

注文住宅のコストダウンは、仕様をやみくもに減らすことではなく、ご家族の優先順位を整理したうえで、削ってよい部分と慎重になるべき部分を見極めていく作業です。
建具の数を減らす、建物形状をシンプルにするといった工夫にはそれぞれメリットと注意点があり、特に性能や構造に関わる部分は、後からの変更が難しく費用もかさみやすいため、慎重な検討が必要です。
まずは住宅会社の担当者と打ち合わせを重ね、ご自身にとって何を大切にしたいのかを整理することから始めてみてください。

引用元・参照元

※本記事は確認時点の情報をもとに作成しています。制度内容、補助額、申請期間、受付状況、金利、税制などは変更される場合がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

よくある質問<FAQ>

Q1. コストダウンは間取りが完成してからでも相談できますか?

A. ある程度プランが固まった段階でもご相談いただけますが、優先順位や希望条件を早い段階で共有していただくほど、間取りの見直しなどを含めた柔軟な調整がしやすくなります。
気になり始めた時点で一度ご相談いただくことをおすすめします。

Q2. 建具を減らした場合、後から追加することはできますか?

A. 物理的には可能な場合が多いですが、壁の下地や枠の造作をやり直す必要があるため、新築時に設置する場合と比べて費用がかかる場合があります。
将来仕切る可能性がある部屋は、事前にご相談ください。

Q3. 性能を下げてコストダウンすることはおすすめですか?

A. 断熱・気密・耐震など性能に関わる部分は、暮らしの快適性や光熱費、将来の補助制度の適用可否にも影響するため、慎重な判断が必要です。
性能面以外の仕様調整から検討されることをおすすめしています。

Q4. コストダウンの相談は何回くらいできますか?

A. HIKAGEでは打ち合わせ回数を無制限にしており、納得いただけるまで何度でもご相談いただけます。
LINEやオンラインでの相談も可能です。

Q5. 標準仕様とオプションの違いがよく分かりません。

A. 会社によって標準仕様に含まれる範囲は異なります。
契約前に、照明・外構・給排水引き込みなど項目ごとに標準かオプションかを確認しておくと、後の費用のずれを防ぎやすくなります。

HIKAGEの施工エリアについて

弊社では、富山市を中心に、射水市・高岡市・滑川市・上市町・立山町・舟橋村を中心に、家づくりのご相談を承っています。
事務所から車で40分圏内を目安とした対応エリアとなっております。
施工可能エリアの詳細については、お気軽にお問い合わせください。

ご相談・お問い合わせについて

コストダウンについてのご相談は、間取りやご予算が固まっていない段階でも大丈夫です。
まずは情報収集からでも構いませんので、気になる点があればお気軽にご相談ください。
個別相談や家づくり勉強会、完成見学会など、ご都合に合わせた形でお話を伺っています。

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