No.43【新築の8割に不具合?】
建築基準法の改正で、住宅現場に何が起きているのか?
こんにちは。HIKAGEの代表をしている日影道也です。
2026年3月、株式会社さくら事務所が発表した調査によれば、
2025年に診断した新築一戸建て1,370棟のうち82.0%に不具合が指摘されています。
これから家づくりを検討しているご夫婦にとって、決して他人事とは言い切れない数字です。
背景にある建築基準法改正の実態と、施工品質をどう守るかについてお伝えします。

この記事でお伝えしたい事
- 新築の8割に不具合が出ている理由
- 完成後に見えなくなる部分が一番怖いわけ
- 法改正が現場にどんな混乱を招いたか
- 施工品質を確かめる具体的な方法
- 「建てた後も安心」な会社の見分け方
新築10棟中8棟に不具合——2025年最新調査が示す、見過ごせない数字
何らかの不具合が指摘されたのは82.0%。
前年2024年の76.4%から5.6ポイント上昇し、
1棟あたりの指摘箇所も平均16.7か所と増加しています。
(出典:株式会社さくら事務所「2025年 新築一戸建てホームインスペクション調査結果報告」2026年3月3日発表)
特に多かった不具合の部位
| 部位 | 具体的な症状の例 | 指摘率 |
| 開口部等(窓・ドアなど) | ガタつき・隙間・異音 | 47.7% |
| 基礎・床下面 | ヒビ割れ・コンクリートのむら | 35.5% |
| 外壁仕上げ | 欠け・反り・ヒビ割れ | 31.9% |
開口部のガタつきは入居後に気づける場合もありますが、
基礎の状態や床下の施工精度は、家が完成してしまえば目で確認できません。
「なんとなく床が冷える」「カビっぽいにおいがする」と感じても、
そこから原因を追うのは容易ではありません。
また、前年と比べて指摘率が顕著に上昇した部位として、
外壁仕上げ・基礎屋外面・壁や梁の屋内面・各階間の天井裏・排水設備が確認されています。
総じて「完成後には目に触れにくい部位」での増加傾向が際立っています。

なぜ2025年から急増したのか——「4号特例の縮小」が現場を追い詰めた仕組み
さくら事務所は、この背景に2025年4月施行の建築基準法改正が影響していると分析しています。
今回の改正の核心は「4号特例の縮小」です。
これまで木造2階建て以下の住宅は、建築確認の審査で一部が省略できる特例が認められていました。
2025年4月からその特例が縮小され、構造の審査や省エネの確認が新たに必要となりました。
法定の審査期間も最長35日以内に延び、
着工前の手続きに以前より時間がかかる状況が生まれています。

その結果、着工後のスケジュールが圧迫され、
職人の手配も難しくなり、現場によっては丁寧な作業より
「工期内に完了させること」が優先されるケースが出てきました。
特に床下・屋根裏・外壁防水まわりといった
「意識して確認しに行かなければ見えない箇所」で影響が出やすくなっています。
これは特定の会社が手を抜いたというより、
業界全体が制度変化に対応しきれなかった結果と見るのが実態に近いでしょう。
だからこそ、住宅会社を選ぶ際に「施工品質をどう担保しているか」を
確認することが、今まで以上に重要になっています。
壁を閉じたら確認できない——「工事中にしか見えない部分」に品質の差が出る理由
クロスの仕上がりや床の傷は、引き渡しの日にご自身でも確認できます。
しかし基礎の鉄筋の状態、柱と梁をつなぐ金物の締め付け、
防水処理の丁寧さは、工事中の特定のタイミングにしか確認できません。
コンクリートを流した後では鉄筋は見えず、壁を閉じた後では金物の状態は確認できないのです。
HIKAGEでは、この「見えなくなる前に確認する」という考え方を品質管理の基本に置いています。

第三者検査を全棟に導入しています
HIKAGEでは、第三者検査機関「(株)家守り」による施工検査を全棟に入れています。
自社とは利害関係のない専門の検査会社が各工程を客観的に確認することで、
見落としや職人による仕上がりのばらつきを防ぎます。
検査は自社基準で全工程に加え、(株)家守りが最大6~10回実施します。

| 検査工程 | 確認する内容 |
| 基礎配筋検査 | コンクリートを流す前に鉄筋の状態を確認 |
| 土台伏せ検査 | 基礎と建物をつなぐ重要な工程の確認 |
| 構造体・金物検査 | 柱・梁の接合部の精度を確認 |
| 防水下地検査 | 外壁仕上げ材の下に隠れる防水処理の確認 |
| 外壁防水検査 | 雨水侵入リスクを客観的に確認 |
| 完了検査 | 仕上がりと設備の最終確認 |
検査結果は「現場検査報告書」としてお渡しします
すべての検査結果は、写真・日時・指摘事項・是正内容を記録した
「現場検査報告書」にまとめ、お客様へご提出しています。
この報告書はお引き渡し後も保管され、
将来の点検・メンテナンス・万が一のトラブル時にも根拠ある対応を可能にします。

「信頼する」だけでは不十分——第三者検査が施工品質を「記録」に変える理由
富山市を中心に注文住宅を手がけるHIKAGEでは、現在のところは、
年間棟数を8棟に絞ることで一棟一棟に丁寧な施工管理を行う体制を維持しています。
「感覚ではなく、記録で品質を証明する」という考え方は、創業から変えていない部分です。
家づくりを検討している段階で、住宅会社に「第三者検査を実施していますか?」
「検査報告書は見せてもらえますか?」と聞いてみることをお勧めします。
その回答の中に、その会社の品質管理への姿勢が表れます。
疑問を整理し、比較検討する機会を持つことが、後悔のない家づくりにつながります。

【まとめ】新築の不具合を防ぐ3つのポイント——確認すべきは”記録”の有無
2025年の調査で新築一戸建ての82.0%に不具合が指摘された背景には、
建築基準法改正による工期圧迫と現場の混乱があります。
完成後には確認できない工程こそ、客観的な検査と記録で品質を担保することが、
長く安心して住み続けられる家づくりに不可欠です。
- 新築住宅の不具合は床下・防水・基礎など「工事中にしか確認できない部位」で多く発生するため、完成前の検査体制が特に重要
- 第三者検査機関による複数回の検査を行うことで、職人や担当者による品質のばらつきを防ぎ、客観的な記録として保管できる
- 写真付きの現場検査報告書を提出・長期保管することで、引き渡し後の点検・トラブル時にも根拠をもって対応可能
品質は「信頼する」だけでなく、「仕組みで確認し、記録として残す」ことで、
住み始めてからの安心に変わります。
住まいは、完成してからが本当のスタートです。
HIKAGEでは工事中の品質管理と引き渡し後のサポート、その両方を大切にしています。
HIKAGEの施工エリアについて

HIKAGEでは、富山市を拠点に、射水市・高岡市・滑川市・上市町・立山町・舟橋村などを主な施工エリアとしております。拠点から車で40分圏内を商圏とすることで、何かあったときにすぐ対応できる体制を維持しています。「建てて終わり」ではなく、住まいの成長を長期にわたって見守り続けるパートナーでありたいと考えています。
現場検査報告書の実物をご覧になりたい方、
第三者検査について詳しくお聞きになりたい方は、見学会または個別相談へお越しください。
<上記エリア以外につきましては、弊社担当までご確認ください>

「記事内引用・出典」 株式会社さくら事務所「2025年 新築一戸建てホームインスペクション調査結果」(2026年3月3日発表) 調査対象:2025年1月1日〜12月31日に実施した全1,370件の新築一戸建てホームインスペクション結果