No.28【照明は正解が一つじゃない】
明るさは足りているのに困る空間になる照明計画の落とし穴とは?
こんにちは。HIKAGEでコーディネートを担当している松田です。
夕方のキッチンで手元が見えにくかったり、ソファで本を開いたときに文字が読みづらかったり、
家の明るさが気になる場面は意外と多いものです。照明は空間の雰囲気だけでなく、
作業のしやすさや目の疲れにも関わるため、暮らしにとても近い存在です。

家づくりの打ち合わせでは、間取りや設備の話が先に盛り上がることが多く、
照明は後回しになりがちです。ただ、実際に暮らしが始まってから気になるのは、
光の向きや影の落ち方、時間帯による明るさの変化など、図面ではわかりにくい部分だったりします。
照明というと専門的な印象を持たれることがありますが、
本当は生活の延長線にある身近なテーマです。
この記事でわかること
この記事では、照明に関してよく耳にする疑問を生活シーンに置き換えながら整理していきます。
1 明るいはずなのに暗く見える理由
2 暮らし方と光の関係
3 意図した暗さと困る暗さの違い
4 照明で後悔しない考え方
難しい言葉は使わず、一般の方にもわかりやすい内容で進めます。
LEDなのに暗く感じるのはなぜ

照明のお話になると「LEDなら明るさは足りているはず」とおっしゃる方が多いのですが、
実際には「明るいはずなのに暗く見える」という声も珍しくありません。
まだ建てる前の打ち合わせでも、明るさの量よりも光の使い方で暗さを感じることがある点に
気づかれていないケースが多いと感じます。
光には量だけでなく役割がある
照明はただ空間を明るくするだけではなく、大きく三つの役割があります。
専門用語も併記しますが、難しく考えなくても大丈夫です。
全般照明(アンビエント照明)
部屋全体を均一に照らす役割です。天井照明が代表的です。
作業照明(タスク照明)
調理や読書など特定の動作に必要な光です。手元灯やデスクライトが該当します。
アクセント照明
空間に奥行きや表情をつくる光です。間接照明や壁を照らすライトが該当します。
暗く感じる原因の多くは明るさ不足ではなく、この三つの役割のどれかが抜けていることにあります。

図面だけでは分からない影と光の広がり
照明計画は、図面に配灯記号が並ぶだけではイメージしにくいものです。
光は線ではなく面で広がり、影も場所によって変わります。
これが暮らし始めると違いとして表れます。
例えば、
・ キッチンのまな板に影が落ちる
・ 洗面で顔が暗く見える
・ ソファで手元が暗い
・ 夜の廊下が眩しく感じる
こうした違和感は、生活してみて初めて実感することが多いと感じます。

暮らし方を思い浮かべると選択が変わる
照明は専門用語よりも、暮らしの風景で考える方がわかりやすいです。
料理をするときは食材の色が正しく見えることが大切です。
リビングで家族と話す時間は眩しすぎる光より柔らかい光が落ち着きます。
夜の廊下は足元だけを照らす方が安心です。
このように、場所と時間帯で必要な光が変わります。
洗面は特に影の出方が重要

意外と後悔が多いのが洗面まわりです。
洗面では顔に影が落ちるとメイクの仕上がりや肌の状態が正しく確認できません。
理想的なのは鏡の左右に光源を配置する方法か、ミラーライトの採用です。
顔全体を均一に照らせるため、明るくしすぎなくても見やすくなります。
ソファまわりは人によって正解が違う

ソファまわりは暮らし方が分かれる場所です。
テレビを中心に過ごす方は光が弱い方が落ち着く場合もありますし、
読書が習慣の方は手元まで光が届くスタンドライトが必要になります。
会話を楽しむ方は壁面に柔らかく光が当たると雰囲気が和らぎます。
照明はライフスタイルで正解が変わる
照明は暮らし方で必要な光が変わるため、家づくりの段階で万能な答えをつくるのは難しい分野です。
たとえば、調理で食材の色味を重視される方は手元を明るくしたいと感じられますし、
読書が習慣の方は手元まで光が届くスタンドライトを好まれます。
逆にテレビ中心の方は暗めを好まれることもあります。
実際に暮らしてみて「ここに手元灯があれば便利」「リビングは少し暗いぐらいが落ち着く」
と気づかれるケースも多く、照明は暮らしの変化に寄り添う要素だと感じます。
暗さを活かすという考え方

最近は「ホテルのように落ち着いた照明にしたい」というご相談も増えています。
この場合、暗さは欠点ではなく魅力です。ただし暗さにも種類があります。
・ 天井を照らせば広がりが生まれ
・ 壁を照らせば奥行きが生まれ
・ 床を照らせば落ち着きを得られます
同じ暗さでも意味が変わるのが照明の面白い部分です。
具体的な数値の目安について
照明は感覚で語られることが多いですが、数値で整理すると選びやすくなります。

【明るさの目安(ルーメン値の例)】
・ LDK全体:1500〜3000ルーメン程度
・ 作業スペース:500〜1000ルーメン程度
・ 廊下や寝室:控えめでも良い
【色温度(ケルビン値)】
・ 電球色(2700K前後):落ち着いた雰囲気
・ 昼白色(4000〜5000K):色が分かりやすい
・ 昼光色(6000K前後):細かい作業向き
数字を知っておくだけでも選択の迷いが減ります。
配灯の悩みは照明器具より計画にある
照明で後悔しやすいのは器具そのものではなく、
家具配置や生活動線が曖昧なまま決めてしまうケースです。
暮らしが動いた時に光が足りないと、小さなストレスが積み重なります。
照明は専門ではなく生活の話
照明は難しい理論の世界に見えますが、実際は「どんな暮らしがしたいか」を整理する作業です。
作業に合う光、落ち着く光、歩きやすい光、空間をきれいに見せる光。
それらを一緒に選んでいけば難しさは減りますし、照明はもっと楽しいものになります。
照明計画で確認しておきたいこと

・ 部屋でどんな時間を過ごすか
・ どの場所で手元作業をするか
・ 夜に移動するルートはどこか
・ 明るくしたい場所と暗くて良い場所はどこか
完璧に整理しなくても大丈夫です。少し意識するだけで仕上がりが大きく変わります。
まとめ
照明はインテリアを飾るだけでなく、暮らしを支える日用品でもあります。
明るさの量ではなく、光の役割と暮らし方を合わせることで
「意図せず暗い家」は避けやすくなります。家づくりの段階でも、
自分たちの暮らしを思い浮かべながら照明を考えると、自然に選び方が変わってくると感じています。
HIKAGEの施工エリアについて

HIKAGEは富山市を拠点に、射水市・高岡市・滑川市・上市町・立山町・舟橋村など車で40分圏内を中心に家づくりをお手伝いしています。
すぐに駆けつけられる距離にエリアを絞ることで、
工事中も入居後も安心していただける体制を整えています。
建てて終わりではなく、住まいの変化を一緒に見守れる存在でありたいと考えています。
上記エリア以外につきましては、一度ご相談ください。