No.69【採用前に確認!】
ベランダを設置するメリットデメリットと、富山での快適な設計の工夫
こんにちは。富山市の工務店、HIKAGEの代表、日影道也です。
私は、大工として15年間、多くの現場で木と向き合い、現在は二級建築士としてご家族様それぞれの理想をカタチにするお手伝いをしております。
マイホームの間取りを考えているとき、当たり前のように図面に入っていることが多いベランダやバルコニー。
しかし最近の家づくりでは、あえてこれらを設置しない選択をするご家族様が増えています。
「本当になくても不便ではないのだろうか」「洗濯物を干す場所がなくなったら困るかもしれない」と、決断に迷うご夫婦も少なくありません。
この記事では、住宅業界に長く身を置いてきた経験から、ベランダの必要性をどのように見極めればよいか、具体的な判断材料をやさしく解説します。
ご家族様にとって本当に心地のいい住まいづくりのヒントになれば幸いです。

なぜ今、ベランダやバルコニーを「つくらない」選択肢が増えているのか
共働き世帯の増加と洗濯物干し事情の変化
昔の家づくりにおいては、2階にベランダを設けて布団や洗濯物を太陽の光に当てて干すという光景が一般的でした。
しかし、現代の暮らしにおいては、ライフスタイルそのものが大きく変化しています。
特に20代から40代前半のご夫婦におかれましては、共働き世帯が主流となっており、日中に洗濯物を外に干したまま外出することへの防犯上の不安や、急な雨への対応の難しさを感じられる方が非常に多くなっています。

朝の忙しい時間帯に洗濯物を外に干し、夕方急いで取り込むという一連の作業は、想像以上にご家族様の負担となってしまいます。
このような背景から、洗濯は夜間に室内で行うか、乾燥機をフル活用するというスタイルが定着してきました。
また、富山特有の気候特性も室内干しを選ぶ大きな要因となっています。
富山県は年間を通じて比較的湿度が高く、外干しが難しい季節が非常に多いのが特徴です。
- 冬期の長い降雪や霜の影響
- 春先に飛来する黄砂や花粉の付着リスク
- 梅雨時期から夏にかけての突然の雷雨や長雨
これら空気中の物質や天候の変化が気になる季節が増えており、健康面を考慮して年間を通して「部屋干し」を選択されるご家族様も珍しくありません。
外に干すという行為そのものの頻度が減った結果、ベランダという空間そのものの存在意義を改めて見直す動きが強まってきています。
建築費用と将来的なメンテナンスコストの現実
家づくりにおけるコストの面からも、バルコニーの有無は大きな影響を与えます。
バルコニーを設置する場合、ただ床をつくるだけでなく、雨水の浸入を防ぐための非常に厳格な防水工事必要不可欠となります。
また、安全性を確保するための手すり壁や、雨水を排水するためのドレンと呼ばれる溝やパイプの設置など、目に見えない部分での工事費用が重なっていきます。

さらに、家を建ててからの維持費、いわゆるランニングコストの視点も見落とせません。
バルコニーの床面に施される防水処理は、一般的におおむね10年を目安に定期的なメンテナンスや再塗装が必要とされています(施工条件や立地環境によって異なります)。
特に富山のような積雪のある地域では、冬場の凍結や積雪による負荷もかかるため、漏水リスクを低く保つための維持管理にはそれなりの費用と手間がかかり続けることになります。
大工として多くの現場を見てきた私だからこそお伝えしたいのは、家の中で最も雨漏りのリスクが高い場所の一つが、このバルコニーの防水面の劣化や排水口の詰まりだということです。
こうした将来的な出費や修繕の心配を抑え、限られた予算を別のこだわりたい空間、たとえばご家族様が集まる広いリビングや、毎日のお料理が楽しくなるキッチンへと配分したいという賢い選択をされる方が増えていることも、ベランダなしを選ぶ大きな理由となっています。
お掃除の手間と防犯面での懸念
実際にベランダをつくったものの、あまり使わなくなってしまったというご家庭からよく伺うお悩みのひとつが、お掃除の負担です。
ベランダは風雨にさらされる場所であるため、砂埃や落ち葉が溜まりやすく、排水口が詰まってしまうと雨水が溢れて雨漏りの原因になることもあります。
特に2階のベランダは水やりや掃除のための動線が遠くなりやすく、わざわざバケツで水を運んで掃除をするのが億劫になり、次第に汚れが放置されてしまうというケースが現場でもよく見られます。

また、防犯という観点からも注意が必要です。
ベランダの手すり壁や周囲の配置によっては、以下のような防犯上の弱点が生まれてしまうケースがあります。
- 不審者が足をかけて2階へ侵入するための足場になりやすい
- 一度ベランダの内側に入り込まれると、周囲からの死角になりやすい
- 洗濯物の干し方によって、生活パターンを外から察知されやすい
せっかく安心安全を願って建てるマイホームですから、死角になる場所はできるだけ減らしたいものです。
このように、維持管理の手間や安全面での配慮を総合的に天秤にかけた結果、「お掃除の手間を減らし、より安全でシンプルな外観にしたい」というご要望を持つご家族様が増えています。
注文住宅における最大の課題は、その「わかりにくさ」にありますが、一つひとつの要素のメリットとデメリットを丁寧に整理していくことで、本当に必要なものが見えてきます。
バルコニーが必要なケースと、なくても困らないケースの判断軸
バルコニーをつくったほうが豊かな暮らしになるご家族様
バルコニーを設置するかどうかは、単に洗濯物を干す場所という機能面だけで決めるものではありません。
その空間があることで、日々の暮らしがより豊かになり、ご家族様の笑顔が増えるのであれば、それは非常に価値のある投資となります。
たとえば、外の空気を吸いながらプライベートな時間を過ごしたいという明確な目的がある場合です。
周囲からの視線を遮るように設計された少し広めのバルコニーであれば、休日の朝に夫婦でコーヒーを楽しんだり、夕涼みをしながら読書をしたりするセカンドリビングのような贅沢な使い方が可能になります。
また、ガーデニングや家庭菜園を趣味とされており、身近に植物と触れ合える空間を2階にも確保したいというご要望がある場合も、バルコニーは暮らしに彩りを添える大切な要素となります。

さらに、お布団を頻繁に天日干ししたいというこだわりをお持ちの方にとっても、寝室から直接出入りできるベランダは大変重宝します。
大型のシーツやたくさんの布団を一度に干すスペースが外に欲しいという明確な用途があるならば、バルコニーをつくる価値は十分に高いと言えます。
ただ選んでいただくのではなく、ご家族様のライフスタイルやご要望をじっくりとお伺いする中で、私たちはそのバルコニーが本当に活躍するかどうかを一緒に考えます。
大切なのは、なんとなくつくるのではなく、以下のように「そこで何をするか」という目的がはっきりしているかどうかです。
- バルコニーで過ごすリラックスタイムを楽しみたい
- 屋外での趣味のスペースとして活用したい
- お布団を外の太陽光で干す習慣を大切にしたい
バルコニーがなくても快適に過ごせるご家族様
一方で、これまでお話ししたような特別な用途が思い浮かばない場合は、バルコニーをなくすことで、むしろ室内空間をより広く、快適に有効活用できる可能性が高まります。
基本の洗濯スタイルが、ガス衣類乾燥機や除湿機を用いた室内干しで完結しているご家族様であれば、外干しのスペースは必要ありません。
また、布団に関しても、高性能な布団乾燥機や専用の掃除機を活用することで、天候や季節に左右されることなく、いつでもふっくらと清潔な状態を維持できるようになっています。
このようなライフスタイルをお持ちであれば、バルコニーをつくらないことによる不便さはほとんど感じられないのが実情です。

バルコニーを設置しないことで、その分の床面積を室内の収納スペース、たとえばウォークインクローゼットや納戸に充てたり、子ども部屋を少し広げたりすることができます。
外観のデザインも凸凹が減ってすっきりと美しくまとまりやすく、ガルバリウム鋼板などのスタイリッシュな外壁材を活かしたシンプルモダンな佇まいを好まれる方にとってもメリットが大きいです。
すべてをゼロから選び、一つひとつ決めていく作業は想像以上にご家族様の負担となってしまいますが、こうした引き算の視点を持つことで、間取りの迷いがすっきりと解消されることもあります。
「本当に使うだろうか」と少しでも迷われるのであれば、過去の習慣にとらわれず、現在の暮らしの実態を見つめ直してみることが後悔のない選択への近道となります。
HIKAGEがご提案する、ベランダに頼らない「自分らしく快適で心地のいい暮らし」
家事効率を高める「時短動線プラン」とランドリールームの工夫
私たちHIKAGEでは、注文住宅ならではの最大の強みである自由設計を活かし、ベランダがなくても毎日の家事が驚くほどスムーズになる、暮らしやすさを追求した具体的なカタチをご提案しております。
その代表的な工夫が、キッチン・洗面・浴室・ランドリールームをひとつのゾーンにコンパクトにまとめた「時短動線プラン」です。

特に共働きで子育てにお忙しい世帯から大変ご好評をいただいているのが、「ファミリークローゼットと直結した脱衣室やランドリールーム」の配置です。
- 【脱ぐ】脱衣室で脱いだ衣類をその場で洗濯機へ
- 【干す】すぐ隣のランドリールームで室内物干し
- 【しまう】乾いたら隣接するクローゼットへそのまま収納
このスムーズな間取り計画により、これまで重い洗濯物カゴを抱えて2階のベランダまで階段を上り下りしていた重労働が完全にゼロになります。
ランドリールーム内には、十分な室内物干しスペースとともに、大工職人がゼロから手作業で創り上げる造作の作業カウンターやアイロン台を設置することも可能です。
洗濯物を畳む、アイロンをかけるという一連の動作がその場で完結するため、家事にかかる時間が大幅に短縮され、夜のひとときやご家族様と過ごす時間にゆとりが生まれます。
光とプライバシーを両立する「環境設計プラン」とウッドデッキの活用
2階にベランダをつくらない代わりに、1階の庭やリビングとのつながりを活かした広がりを演出するのも、私たちの得意とする設計手法です。
「環境設計プラン」では、太陽の光をしっかりと室内に取り込みながらも、道路や隣家からの視線を巧みにコントロールする壁や窓の配置計画を行います。

ベランダがないすっきりとした南面の開口部には、リビングとフラットにつながるタイルデッキやウッドデッキを設けるプランが人気です。
外からの目線をさえぎる目隠しフェンスや植栽を適切に配置することで、周囲の目を気にすることなく、明るく開放的なプライベート空間を実現できます。
ここであれば、お子さまのプール遊びやご家族様でのバーベキューも周囲の視線を気にせず気兼ねなく楽しむことができ、重い荷物を2階へ運ぶ必要もありません。
また、万が一「どうしてもたまには大きなシーツを外で干したい」となった場合でも、1階のウッドデッキの一部に格納式の物干し金物(ホスクリーンなど)を設置しておけば、必要なときだけサッと取り出して干すことができます。
2階のベランダという固定された空間にとらわれず、1階の暮らしの延長線上として外の空間を多目的に活用する方が、今の時代のご家族様のライフスタイルにとても自然に馴染むケースが多いと感じています。
確かな住宅性能が支える「心地のいい部屋干し環境」
部屋干しを中心とした間取りを計画する際、多くの方が心配されるのが「生乾きのニオイがしないか」「室内の湿気がこもってジメジメしないか」という点です。
しかし、この問題は住宅の基本性能をしっかりと高めることで、完全に解決することができます。

HIKAGEの住まいは、デザイン性だけでなく、安全快適に暮らせる高い住宅性能を全棟標準で備えています。
- 【断熱性能】標準仕様で「UA値0.46」という高い基準をクリア(ご要望によりUA値0.26も対応可能)
- 【気密性能】隙間のない施工を証明する「C値0.5以下」を厳格に管理
- 【換気性能】標準で第一種換気システムである熱交換型(ダクトレス方式)「せせらぎ」を採用
この高性能な換気システムにより、家全体の空気が常にゆっくりと、そして計画的に循環し続けます。
室内の汚れた空気や余分な湿気は速やかに外へ排出され、外の新鮮な空気は室温に近づけられてから室内に取り込まれるため、部屋干しをしていても驚くほどカラッと素早く洗濯物が乾きます。
嫌なニオイがこもることもなく、梅雨時でも冬場でも、年中快適で健康的な空気環境が維持されます。
さらに、高性能樹脂窓である《YKK AP》APW430や、ネオマフォーム、ネオマゼウスといった優れた断熱材を組み合わせることで、結露の発生を極限まで抑える設計となっています。
こうした目に見えない構造や性能の裏付けがあるからこそ、私たちはベランダのないシンプルな間取りでも、自信を持って心地のいい暮らしをお約束できるのです。
この記事のまとめ
ここまで、ベランダやバルコニーの必要性について、ライフスタイルの変化やコスト、そして間取りの工夫という様々な視点からお届けしてきました。

バルコニーは、決して「つけてはいけない」ものではありません。
大切なのは、ご家族様のこれからの暮らしにおいて、本当に必要なのかどうかをニーズに合わせて見極め、選択することです。
「当たり前にあるもの」としてそのまま図面に載せるのではない、ご自身の実生活に照らし合わせて一つひとつ丁寧に引き算をしていくことで、建築費用を抑えつつ、より満足度の高い住まいが形になっていきます。
HIKAGEでは、大工職人がゼロから創る造作家具や、計画的な動線計画など、暮らしやすさを追求した具体的なカタチを一緒につくり上げます。
デザイン性と住宅性能を両立させ、住み始めてからも安心な長期保証を全棟標準でご準備しております。
家づくりには、今回のような専門的な判断や、目に見えない性能の理解など、少し難しく感じられる場面がたくさんあります。
私たちは、そうした「わかりにくさ」をご家族様と一緒に紐解き、納得しながら前向きに進めていただけるよう、常に誠実に寄り添う姿勢を大切にしています。
まずはご家族様の間で、「今の洗濯ってどうしているっけ?」「新しい家ではどんな暮らしがしたい?」という小さなお話をされるところから始めてみてはいかがでしょうか。
※本記事は確認時点の情報です。制度内容や仕様などは変更される場合があります。
引用元・参照元
- ・国土交通省:建築物省エネ法に基づく住宅の省エネ性能基準について
https://www.mlit.go.jp/ - ・一般社団法人日本サッシ協会:住宅の断熱性能と樹脂窓の役割
https://www.jsma.or.jp/ - ・YKK AP株式会社:高性能樹脂窓 APW430 製品仕様カタログ
https://www.ykkap.co.jp/
よくある質問<FAQ>
Q1. ベランダをなくして、布団はどこに干せばいいですか?
A. 高性能な布団乾燥機を使用されるケースが主流となっています。
天候や花粉、黄砂を気にせず、いつでもふっくらと清潔に仕上げられます。また、寝室の窓際に日が当たる物干しスペースを設けたり、1階のウッドデッキに布団掛けを設置したりする工夫で、外干し派の方も十分に心地よく対応可能です。
Q2. 部屋干しばかりだと、家の中がカビくさくなったりしませんか?
A. 住宅の気密・断熱性能と、換気システムの組み合わせがしっかりしていれば心配ありません。
HIKAGEではC値0.5以下という高い気密性と、第一種換気システム「せせらぎ」を全棟標準としているため、家全体の空気が常に循環し、湿気が一箇所にこもることなくカラッと快適に乾きます。
Q3. バルコニーをなくすことで、建築費用はどのくらい変わりますか?
A. 一般的なサイズのバルコニーを設置する場合、本体の施工費や防水工事、手すりの設置費用などで50万〜100万円前後のコストを抑えられる場合があります(規模や仕様によって異なります)。
また、将来的なおおむね10年を目安とした防水メンテナンス費用もかからなくなるため、長期的な負担も軽減されます。個別条件によって異なりますので、具体的な金額は設計プラン作成時にご確認ください。
Q4. 2階にエアコンの室外機を置く場所として、ベランダは必要ですか?
A. ベランダがなくても、室外機は設置可能です。
1階の地面まで配管を伸ばして設置するか、外壁に専用の架台を取り付けて固定する方法がございます。設計段階から外観のデザインやメンテナンス性に配慮して配置を計画しますので、どうぞご安心ください。
HIKAGEの施工エリアについて
弊社では、富山市を中心に、射水市、高岡市、滑川市、上市町、立山町、舟橋村を主な施工エリアとしております。
事務所から車で40分圏内を目安に設定させていただいているのは、万が一の際にも迅速に駆けつけられる体制を維持し、お引き渡し後も末永く安心して暮らしていただきたいという想いがあるからです。
地域に密着した土地の相場感や気候特性を踏まえたご提案を大切にしております。
ご相談・お問い合わせについて
HIKAGEでは、家づくりを考え始めたばかりの段階のご家族様でも、気軽にご参加いただける「家づくり勉強会」や「個別相談」を定期的に開催しております。
「何から始めればいいかわからない」「自分たちの理想の暮らしを整理したい」といった状態でも全く問題ありません。
お互いの価値観を大切にしながら、無理のない資金計画も含めて一歩ずつ丁寧にお手伝いいたします。
まずは情報収集からでも大丈夫ですので、気になる点があればいつでもご相談ください。
お子様連れでも落ち着いてお話しできるキッズスペースをご用意しておりますので、どうぞいつでもお気軽にお声がけください。