No.60【金利上昇が心配】
返済額だけで決めない、後悔しにくい住宅ローンの考え方について
こんにちは。富山市を拠点に家づくりをお手伝いしているHIKAGEの代表、日影道也です。
住宅ローンを考え始めると、変動金利の安さに惹かれる一方で、「将来上がったらどうしよう」という不安も出てきます。この記事では、変動金利が「得」と言われる理由、期間選択型やフラット35の考え方、富山での暮らしに合う判断軸を、最新情報をもとに整理して分かりやすく解説いたします。

変動金利が「得」と言われる理由
変動金利が「得」とされやすいのは、現在の金利水準では当初の月々返済額を最も低く抑えやすく、結果として元本が早く減るケースがあるためです。住宅ローンを検討する際、多くの方がまず比較されるのが変動金利です。その最大の魅力は、固定金利と比べて設定されている当初の金利が低いことにあります。
| 金利タイプの例 | 2026年5月時点の参考水準 | 見え方のポイント |
|---|---|---|
| 変動金利 | 年0.945%(三菱UFJ銀行の新規借入例) | 毎月の返済額を抑えやすい |
| 固定10年 | 年3.15%(三菱UFJ銀行の新規借入例) | 一定期間の返済額を固めやすい |
| 全期間固定 | 年3.81%(三菱UFJ銀行の新規借入例:31〜35年) | 完済まで計画を立てやすい |
※実際の適用金利は、審査結果、融資率、団信の種類、優遇条件等によって異なります。

変動金利が低く見える仕組みと優遇金利
2026年5月時点の三菱UFJ銀行の新規借入例をみると、変動金利が年0.945%、固定3年が年2.43%、固定10年が年3.15%、固定20年が年3.88%、そして全期間固定では借入期間に応じて年3.60%〜3.87%となっています。多くの場合、金融機関が設定する「店頭表示金利(基準金利)」(同銀行の場合、変動年3.125%、固定10年年5.93%など)から、給与振込の指定や特定の条件を満たすことで「優遇金利(引き下げ幅)」が適用され、実際の借入金利が決定されます。この優遇幅が大きいため、変動金利は非常に魅力的に映るのです。

「5年ルール」と「125%ルール」の正しい理解
三菱UFJ銀行をはじめとする多くの金融機関では、変動金利かつ元利均等返済を選ぶ場合、金利上昇時の急激な負担増を防ぐための「5年ルール」と「125%ルール」という仕組みが説明されています。
- 5年ルール:金利が見直されても、5年間は毎月の返済額が変わらない仕組み。
- 125%ルール:6年目に返済額が見直される際、新しい返済額はこれまでの1.25倍を上限とする仕組み。
ただし、これらのルールは適用条件が金融機関や契約内容によって異なるため、事前の確認が必須です。また、125%ルールはあくまで「返済額見直し時の上限」に関するものであり、総返済額や元本総額の上限ではありません。返済額が変わらない期間中も、金利が上昇した分だけ返済額の内訳に占める利息の割合が増え、元金の減りが遅くなる場合があります。条件によっては未払利息が発生する可能性もありますので、仕組みを正しく理解しておく必要があります。

金利の先行きは誰にも分からない
金利の基準となる指標も変化します。三菱UFJ銀行では2025年12月19日発表の短期プライムレート引上げに伴い、2026年3月1日より住宅ローンの変動金利の基準金利を見直しています。さらに、日本銀行は2026年4月27日・28日の金融政策決定会合において、無担保コールレート(オーバーナイト物)を0.75%程度で推移するよう促す方針を公表しました。将来の金利動向は固定されたものではなく、変動金利は今後も市場の動向に合わせて見直される可能性があります。「今は安いから」という理由だけで選ぶのではなく、将来の不確実性を考慮しておくことが大切です。
それでも怖い人が見落としやすいこと
金利上昇のリスクを恐れるあまり、月々の住宅ローン返済額ばかりに気を取られ、家計全体の「余白」や「将来の支出」を見落とししてしまうことが一番の危険です。
富山県の地域事情と将来支出
私たちが家づくりをお手伝いしている富山市や周辺エリア(射水市、高岡市、滑川市、上市町、立山町、舟橋村など)は、車社会です。ご夫婦で車を所有し、数年ごとの買い替えや車検、スタッドレスタイヤの準備など、維持費が必ず発生します。お子様の教育費や建物のメンテナンス費用、雪国ならではの冬の暖房費など、家計から出ていくお金は住宅ローンだけではありません。将来を見据えて、家計にゆとり(余白)を持たせておくことが不可欠です。

性能を削って予算を合わせるリスク
ローンへの不安から総予算を無理に圧縮しようとし、建物の断熱性能や気密性能を削ってしまうことはおすすめしません。住宅性能を安易に下げないことが、入居後の光熱費や快適性の面で重要です。「住宅ローン+光熱費+修繕費」というトータルコストで考えた場合、性能を妥協しない方が、結果的に将来の家計負担を和らげやすくなるケースが多いです。

見落としやすい土地・外構・諸費用
実際のご相談では、金利タイプより先に「総予算の配分」でつまずくご夫婦も少なくありません。土地代だけでなく、地盤改良、外構、諸費用などを含めると、想定より総額が膨らむ場合があります。土地探しから進める場合は、その土地にどの程度の造成費や外構費がかかるかを含めて判断することが大切です。

期間選択型とフラット35をどう考えるか
期間選択型は「一定期間の返済額を固める商品」、フラット35は「将来の見通しを立てやすい商品」として、それぞれの特性を理解し活用することが重要です。
期間選択型(固定10年など)の注意点
期間選択型は、「子供が小さく教育費がかかる向こう10年間だけは、返済額を確定させて安心したい」というご家族に向いています。ただし、固定期間が終了した後は、その時点の金利水準で再度「変動」か「固定」かを選び直すことになります。契約時の条件(終了後の優遇幅など)を事前によく確認することが大切です。

フラット35の魅力と「子育てプラス」の活用
全期間固定金利の代表格である「フラット35」は、完済まで金利と毎月の返済額が変わらないため、将来のライフプランが立てやすいというメリットがあります。住宅金融支援機構の2026年5月時点の情報によると、借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下の最も多い金利は年2.710%(9割超は年2.820%)です。なお、借入金利は毎月見直され、申込時ではなく資金受取時の金利が適用される点にご注意ください。
さらに、子育て世帯を応援する「【フラット35】子育てプラス」という制度があります。若年夫婦世帯またはこども1人で当初5年間 年▲0.25%、こども2人で年▲0.5%、こども3人で年▲0.75%の金利引下げが受けられます(胎児を含む等、詳細な適用要件があります)。
例えばフラット35のサイトでは、2026年5月の最頻金利ベースで、この「子育てプラス」と「ZEH」や「長期優良住宅」などの他の金利引下げメニューを組み合わせて合計4ポイントが適用された場合、当初5年間の金利が年1.71%、6年目以降が年2.71%(融資率9割以下・新機構団信付)になる例が示されています。ただし、これらの引下げメニューには予算金額があり、達する見込みとなった場合は受付が終了する可能性があるほか、土砂災害特別警戒区域等での新築は利用不可となるケースもあるため、事前の確認が必要です。

迷うならミックス型という考え方もあります
借入額を分けて一部を変動、一部を固定にする「ミックス型」という考え方もあります。金利上昇リスクを抑えながら毎月返済を調整しやすい場合がありますが、手数料や管理の複雑さが増すこともあるため、仕組みを理解したうえで選ぶ必要があります。
後悔しにくい決め方
間取りやデザインを考える前に、まずはご家族の将来を見据えた「資金計画」を行い、金利が上昇したケースも試算して判断の軸を作ることが最も重要です。
先に試算したい3つのケース
少なくとも次の3つは比べておくと、判断がぶれにくくなります。
- 今の金利での標準ケース:現在の金利水準で無理なく払えるかを確認する基準。
- 変動金利が上昇したケース:将来金利が上がった場合でも家計の余白が残るかを確認。
- 固定金利で最後まで払うケース:最初から将来の返済額を確定させた場合の総額を把握。

HIKAGEの資金計画の進め方
HIKAGEの個別相談では、いきなり家の間取りを描くことはいたしません。「この先ご家族がどう暮らしていきたいか」を丁寧にお伺いし、シミュレーションを複数パターン行います。また、資金計画に影響を与える税制として「住宅ローン減税」があります。国土交通省の発表によれば、令和8年度税制改正で適用期限が5年間延長され、令和8年1月1日〜令和12年12月31日入居まで適用可能となり、控除率0.7%、新築等は最大13年の控除期間が設けられています(関連税制法は令和8年3月31日に成立)。
ただし、省エネ性能、床面積、所得、建築確認時期、既存住宅かどうか等の個別条件によって適用可否や内容が異なるため、詳細な事前確認が必要です。こうした資金計画を整えて初めて、土地探しや間取りのご提案へと進むことが、後悔のない家づくりへの一番の近道だと考えています。
最後は「安心して眠れるか」で決める
数字だけでなく、気持ちの納得感も大切です。ご夫婦で話したときに、どの選択なら日々の暮らしを前向きに楽しめるか。その感覚も、立派な判断材料のひとつです。
本記事のまとめ
変動金利は初期の支払いを低く抑えやすい反面、将来の金利上昇によるリスクを伴います。一方、フラット35などの固定金利は、将来の返済額が確定しやすく、各種支援制度を組み合わせることで負担を抑えやすくなる場合があります。大切なのは、目先の金利だけでなく、富山での生活に必要な維持費などを総合的に考え、「家計の余白」を残せる無理のない資金計画を立てることです。
HIKAGEの施工エリアについて
弊社HIKAGEでは、富山市を中心に、射水市・高岡市・滑川市・上市町・立山町・舟橋村(事務所から車で40分圏内)を主な対応エリアとして、地域に根ざした家づくりを行っております。
住宅ローンの選び方や、無理のない資金計画の立て方に少しでも不安がある方は、まずは情報収集からでもまったく問題ありません。家づくり勉強会、個別相談、資料請求、見学予約など、ご都合に合う方法をご活用ください。私たちは客観的な視点で、ご家族に合う進め方を一緒に整理するお手伝いをいたします。
引用元・参照元
- 日本銀行「金融政策決定会合の運営」
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/index.htm - 日本銀行「当面の金融政策運営について(2026年4月28日)」
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260428a.pdf - 三菱UFJ銀行「住宅ローン金利」
https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/yuuguu/index.html - 三菱UFJ銀行「【住宅ローン】変動金利の基準金利見直しについて」
https://www.bk.mufg.jp/info/hendoukinri3.html - 住宅金融支援機構「最新の金利情報:長期固定住宅ローン【フラット35】」
https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/kinri/index.php/rates/top - フラット35「【フラット35】子育てプラス」
https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35kosodate-plus/index.html - 国土交通省「住宅ローン減税」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html - 国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました!」
https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000241.html
※本記事は2026年5月末日時点で確認できた公開情報をもとに作成しております。制度内容、金利、受付状況、適用要件等は変更される場合があります。最新情報は各公式窓口でご確認ください。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 住宅ローンの審査に通るか不安です。事前に相談できますか?
はい、もちろんです。HIKAGEでは、土地探しや間取りのお打ち合わせの前に、住宅ローンの借入可能額や無理のない返済額のシミュレーション、事前審査のサポートを行っております。車のローンなどがある場合でも、最適な進め方を一緒に考えますのでご安心ください。
Q2. フラット35の「子育てプラス」は、誰でも利用できるのでしょうか?
借入申込時に18歳未満のお子様がいらっしゃる世帯、またはご夫婦のいずれかが40歳未満の世帯など、詳細な適用要件を満たす場合に利用可能です。ただし、予算金額に達した場合は受付終了となる可能性があります。現在の受付状況や適用可否は個別のご相談時に確認させていただきます。
Q3. 将来、変動金利から固定金利へ変更することは可能ですか?
多くの金融機関では、変動金利から固定金利期間選択型への変更が可能ですが、契約内容によって条件が異なります。変更するタイミングでの金利水準が適用されるため、金利が上がりきってから変更しても負担を抑えきれない場合があります。事前の確認と定期的な家計の見直しをおすすめします。
Q4. 住宅ローン減税の対象になりますか?
住宅ローン減税の適用可否や実際の控除額は、入居される年、住宅の性能、必要書類の有無、お客様の所得、借入額、建築確認時期などの個別条件によって異なります。HIKAGEでは、制度の内容を踏まえながら、必要に応じて証明書類や要件確認の流れも含めてご案内しています。