No.68【賃貸では諦めてた?】
ペットの鳴き声トラブルを防ぐ、注文住宅だからできる音対策の設計とは?
こんにちは。富山市の工務店、HIKAGEの代表の日影です。
「ペットを飼いたいけれど、賃貸だと鳴き声が心配で……」というご相談を受けることが増えています。
家づくりをきっかけに、ずっと諦めていたペットとの暮らしをスタートさせるご家族も多く、今回はそのお手伝いになる記事をまとめました。
「いつか家を建てたら、犬か猫を迎えたい」──そう思いながら、賃貸の制約や音の問題で先送りにしているご夫婦は、意外と多くいらっしゃいます。
しかし、戸建て住宅であれば、設計の段階から音への備えを組み込むことで、ペットも家族も、そして近隣の方も安心して暮らせる環境をつくることができます。
今回は、ペットの音に関する最新の調査データをもとに、注文住宅だからできる音への工夫と、子どもとペットが一緒に育つ家づくりのヒントをお届けします。

ペットの鳴き声、実は約3割の飼い主が「気になった」と感じている
2026年4月に株式会社NEXERと有限会社幸昭が共同で実施した調査では、ペットを飼ったことがある全国の男女400名を対象に「ペットと音」についてのアンケートが行われました。
その結果、約29.5%の方が「鳴き声や音で近所迷惑を気にしたことがある」と回答しています。(出典:株式会社NEXERと有限会社幸昭による調査)
約3人に1人が、心のどこかで「迷惑になっていないか」と気にしながら暮らしている、というのはなかなか大きな数字です。
実際にクレームや注意を受けた経験がある方は5.0%にとどまっていますが、だからといって安心とは言い切れません。
同調査では、ペットの音を理由に「飼うのを諦めた」または「引っ越しを検討した」経験がある方が4.5%おり、その理由として「近隣トラブルが不安だった」と「防音性が低い住まいだと感じたから」がそれぞれ最多の38.9%を占めていました。
つまり、実際にトラブルが起きたから諦めたというよりも、「もしかしたら迷惑になるかもしれない」という漠然とした不安が、ペットとの暮らしへの一歩を遮っているケースが多いのです。

賃貸住宅では、壁・床・天井を通じて音が伝わりやすく、飼育できるペットの種類や頭数に制限がある場合も少なくありません。
そうした制約を根本から解消できるのが、注文住宅の戸建てです。
犬・猫合わせて約1,567万頭。ペットは今や「家族の一員」という時代
一般社団法人ペットフード協会が2025年12月に発表した「2025年全国犬猫飼育実態調査」によると、全国の犬の飼育頭数は約682万頭、猫の飼育頭数は約885万頭と推計されており、合計で約1,567万頭にのぼります。
少子化が続く日本では、総務省の発表(2025年4月1日時点)による15歳未満の子どもの数は約1,366万人で1982年から44年連続の減少となっており、犬猫の飼育頭数の合計がそれを大きく上回っている状況です。
同調査では、20〜30代の既婚子あり世帯において、犬の飼育率が上昇傾向にあることも示されています。
ペットは趣味の範囲を超えて、子育て世帯にとっても大切な「家族の一員」として迎えられているのです。
こうした背景から、HIKAGEにも「家を建てるタイミングで犬を迎えたい」「子どもが小さいうちから猫と一緒に育てたい」というご相談が増えています。
せっかくの注文住宅だからこそ、最初から「ペットと暮らすことを前提にした設計」を取り入れることで、暮らしの質がぐっと変わります。

子どもとペットが一緒に育つことで生まれる影響
「子どもが小さいうちからペットを迎えたい」というご夫婦に、ひとつ心強い知見をご紹介します。
兵庫教育大学准教授・藤崎亜由子氏の研究(発達心理学)によると、子どもが動物をお世話することで「自尊心」や「自己肯定感」が芽生えたり、自分より小さくお世話が必要な生き物をケアすることで「共感性」が育まれたりする傾向があることがわかってきています。(参照:LION Lidea 藤崎亜由子氏インタビュー)
また、国内の学術研究(京都女子大学 小林美月・森下正康)では、家庭でペットの飼育経験がある小学生は、飼育経験のない場合と比べて「共感性」や「向社会的行動(見返りを求めずに人のためになる行動)」の得点が高い傾向があることも示されています。
ただし、こうした効果はペットとの関わり方や家族全体の飼育態度によっても異なるとされており、すべての家庭に同様の効果が保証されるものではありません。

さらにペットフード協会の調査では、18歳までの成長期に動物と触れ合う経験が増えるほど、成人後もペットとの生活を望む傾向が高いという相関も示されています。
ペットは子どもから大人まで、家族の心身の健康に良い影響を与える可能性があるパートナーとして、その存在価値が注目されています。
自然な形での触れ合いは大切ですが、アレルギーや衛生面などの個別事情は必ず事前に確認が必要となります。
ペットとの暮らしが子どもの情操に良い影響を与える可能性があることは、家づくりを考えるうえで知っておいて損のない視点だと思います。
注文住宅だからできる音対策の設計
「音の問題を解決する」という発想で家を設計する
ペットの音問題は、住み始めてから後から対処しようとすると、できることがかなり限られます。
リフォームで窓を二重にしたり、防音カーペットを敷いたりすることもできますが、より根本的な対策は建物の設計段階で計画しておくことが効果的です。
同調査でも、音対策を実践している方の具体的な取り組みとして「防音設備をしっかりと作った」「窓を2重にした」「床に絨毯を敷いた」といった声が挙げられています。
ただ、後から追加できる対策には費用や効果の面で限界があります。だからこそ、新築時に組み込んでおくことが大切なのです。
HIKAGEでは、音への備えを間取りの段階から考えるようにしています。具体的な取り組みをご紹介します。
HIKAGEが実践する、音への備えと快適設計のポイント
① 高性能樹脂窓で音の出入りを穏やかにする
ペットの鳴き声が外に漏れる主な経路のひとつが「窓」です。
HIKAGEが標準仕様として採用しているYKK AP社のAPW430(高性能樹脂トリプルガラス窓)は、断熱性能が高いだけでなく、三層のガラス構成により外部への音の伝わりを和らげる効果も期待できます。
飼い主さんの「近所に迷惑ではないか」という心理的なストレスを軽くする一助となるでしょう。
※なお、窓の遮音性能は製品のガラス構成や仕様によって異なります。詳細はメーカー公式情報や担当者へのご確認をおすすめします。

② 気密性能が生む「音の漏れにくさ」
HIKAGEの標準仕様はC値(気密性能)0.5以下・UA値(断熱性能)0.46を確保しています。
気密性が高い住宅は建物の隙間が少なく、空気を通じて伝わる音が漏れにくくなる効果が期待できます。
ただし、防音性能は気密性だけでなく、窓の仕様、壁の構造、断熱材の種類、間取りの配置など複数の要素が組み合わさって決まるものです。
「気密性を高めれば完全に音が聞こえなくなる」というわけではありませんが、隙間を減らすことが音対策の基礎的な一歩になることは確かです。
また、ペットのためにエアコンをつけっぱなしにする場面でも、高断熱・高気密 の住宅は室温を保ちやすく光熱費の節約につながりやすい点も、ペットと暮らす家ならではのメリットです。
③ ペットの動線を考えた間取り計画
ペットのトイレや寝床の場所、移動しやすい動線など、ペット目線での間取りを考えることも重要です。
たとえば、玄関近くにペット用の足洗いスペースを設けたり、LDKとペットスペースの配置を工夫することで、日々のお世話がぐっとしやすくなります。
また、滑りにくい床材を採用することは、ペットの体への負担を減らすだけでなく、走り回る音を和らげることにもつながります。

④ 間取りによる「音のゾーニング」
大がかりな防音工事をしなくても、間取りの工夫で音の影響を抑えることができます。
たとえば、ペットが過ごす部屋を隣家から離れた位置に配置したり、収納スペースや水回りを「音のバッファ(緩衝)ゾーン」として活用する考え方です。
こうした設計の工夫は、自由設計の注文住宅だからこそ、最初から計画に組み込むことができます。

「しつけ」と「住まいの設計」は両輪で考える
音問題の解決策として、しつけはとても有効な手段です。
同調査でも、音対策を実践している飼い主のなかに「無駄に吠えないようにしっかりしつけをする」という声が複数見られました。
ただ、しつけは時間がかかるものです。特に子犬・子猫の時期は鳴き声が多くなることもあります。
だからこそ、住まいの側でも音への備えをしておくことで、「しつけ中でも近隣を気にせずいられる」という安心感が生まれます。

しつけと設計、この両輪を最初から意識しておくことが、ペットと暮らす戸建てを心から楽しむための第一歩だと私たちは考えています。
この記事のまとめ
ペットとの暮らしを「賃貸だから難しい」と諦めていたご夫婦にとって、注文住宅の戸建てはその制約を根本から変えてくれる選択肢です。
今回ご紹介した内容を整理すると、次のようになります。
- ペットを飼う経験がある方の約3割が「音で近所迷惑を気にしたことがある」と感じており、住まいの防音性能への不安がペット飼育を諦める原因になることもある(株式会社NEXERと有限会社幸昭による調査・2026年4月)
- 犬・猫の飼育頭数は全国で約1,567万頭にのぼり、20〜30代の子育て世帯でも飼育率が上昇傾向にある(ペットフード協会・2025年12月発表)
- 子どもとペットが一緒に育つことで、思いやりや共感性が育まれる傾向があるという研究知見もある(個別条件によって異なります)
- 戸建てでは高性能窓・気密性向上・間取りのゾーニングなど、設計段階から音への備えを組み込む工夫ができる
- しつけと住まいの設計は両輪で考えることが、ペットと安心して暮らすための近道

「ペットと暮らせる家を建てたい」というご希望は、家づくりの大切な動機のひとつです。
HIKAGEでは、ライフスタイルやご要望をじっくりお聞きしながら、ペットとの暮らしも含めた「自分らしく心地いい家」を一緒に考えています。
※本記事は執計時点(2026年6月)の情報をもとに作成しています。制度や設備仕様、調査データなどは変更される場合がありますので、最新情報は各公式機関または担当者にご確認ください。
引用元・参照元
株式会社NEXERと有限会社幸昭による調査「ペットの鳴き声や音、約30%が『近所迷惑を気にしたことがある』と回答。音対策として実践していることとは?」(2026年4月8日・PR TIMES掲載)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002524.000044800.html
※本記事での引用にあたり、株式会社NEXERと有限会社幸昭による調査である旨を明記しています。 有限会社幸昭:https://bouon-kosho.co.jp/
一般社団法人ペットフード協会「2025年 全国犬猫飼育実態調査」(2025年12月19日発表)
https://www.petfood.or.jp/
総務省統計局「統計トピックスNo.145 我が国のこどもの数」(2025年5月4日発表)
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi1451.html
京都女子大学 小林美月・森下正康「家族のペット飼育態度が子どもの飼育態度や共感性・向社会的行動に与える影響」
http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstream/11173/1517/1/0080_010_011.pdf
LION Lidea「情操教育とはいうけれど…!我が子が『ペットを飼いたい』と言い出したら…」(兵庫教育大学准教授 藤崎亜由子氏監修)
https://lidea.today/articles/003250
よくある質問(FAQ)
Q1. 賃貸でペットを飼いにくかった理由は何ですか?
A. 賃貸住宅では、管理規約でペットの飼育が禁止されていたり、「小型犬1頭のみ」「猫不可」などの制限が設けられているケースが多くあります。また、建物の構造上、音が壁や床を通じて隣室に伝わりやすいという問題もあります。戸建ての注文住宅では、こうした制限がなく、最初から設計段階でさまざまな音への工夫を組み込むことができます。
Q2. 気密性能が高い家にすると、音が外に漏れにくくなりますか?
A. 気密性が高い住宅は建物の隙間が少なく、空気を通じて伝わる音がある程度漏れにくくなる効果が期待できます。ただし、防音性能の向上は限定的で、窓の仕様・壁の構造・断熱材の種類・間取りの配置など、複数の要素が組み合わさって決まるものです。「どの程度の対策が必要か」は、飼うペットの種類や住まいの環境によっても異なりますので、設計段階でぜひ担当者に具体的にご相談ください。
Q3. ペット対応の間取りで、特に工夫できるポイントはありますか?
A. たとえば、玄関近くにペット用の足洗いスペースを設けることで、散歩帰りの汚れをすぐに落とせます。また、ペットのトイレや寝床を隣家から離れた位置に配置する「音のゾーニング」を意識した間取りも有効です。LDKからペットの様子が自然に見える配置にすることで、安全確認もしやすくなります。注文住宅であれば、こうした細かいご要望を最初から設計に反映できます。
Q4. 子どもが小さい時期からペットを迎えることに不安があります。
A. 衛生面やアレルギーへの配慮は必要ですが、適切な管理のもとでペットと育つ経験は、子どもの共感性や自己肯定感を育む可能性があるとも言われています。不安な点については、かかりつけの小児科医や獣医師にご相談いただくことをおすすめします。住まいとしては、掃除しやすい床材の選択や、換気性能の高い設計を取り入れることで、衛生的な環境を保ちやすくなります。HIKAGEでは第一種換気システム(全熱交換型)を標準採用しており、室内の空気を常に新鮮に保つ環境づくりをサポートしています。
Q5. ペットのための設計を加えると、建築費用が大きく上がりますか?
A. 足洗いスペースの追加や滑りにくい床材の採用など、ペット対応の設備は設計段階から組み込む方が、後からリフォームするよりもコストを抑えられる場合が多いです。ただし費用の目安は仕様内容によって異なりますので、具体的な金額は資金計画の段階で一緒に確認することが大切です。HIKAGEでは、回数無制限の打ち合わせと個別の資金計画サポートを通じて、無理のない選択ができるようにお手伝いしています。
HIKAGEの施工エリアについて
HIKAGEでは、富山市を中心に、射水市・高岡市・滑川市・上市町・立山町・舟橋村を主な施工エリアとして、家づくりのご相談を承っています。
事務所から車で40分圏内を商圏としており、地域に根ざした丁寧な対応を心がけています。施工可能エリアの詳細は、お気軽にお問い合わせください。

ご相談・お問い合わせについて
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HIKAGEでは、家づくり勉強会、個別相談、完成見学会、オンライン相談など、さまざまな形でご家族のペースに合わせた接点をご用意しています。
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